日本政府、UNDPに1億8,453万ドルの支援を提供、各国で支援開始 〜多くの日本人職員が現場で活躍!〜

2018年5月11日

(本文の下部で、現場で活躍する日本人職員について紹介しています。)

2018年3月、UNDPは日本政府の補正予算から約1億8,453万ドル(約201億円) の拠出を受け、アフリカ、中東、欧州、アジアの34の国・地域で、緊急性の高い40のプロジェクトを開始しました。いずれの支援活動も日本政府の開発協力の重点方針に合致するとともに持続可能な開発目標(SDGs)達成を推進するもので、UNDP現地事務所では日本人職員35名(2018年4月末現在)が今回の案件形成や日本政府とのコミュニケーションに貢献しています。

サハラ砂漠以南のアフリカ地域では、ナイジェリア・コンゴ民主共和国・カメルーンなど15カ国で19のプロジェクトが展開され、国際テロ対策の強化及び地域の安定化支援、人道支援と開発支援の連携による難民と難民のホストコミュニティに対する生計向上支援に活用されます。

北アフリカ、東欧を含む中東・欧州においては、イラク・シリア・パレスチナ被占領地域など12カ国・地域で15のプロジェクトに活用され、地域の安定化や経済開発・社会安定化支援が進められます。また、人道支援と開発支援の連携による、難民と難民のホストコミュニティに対する農業・生計向上支援も行われます。さらに、ウクライナへの経済復旧支援も実施されます。

アジアでは、インドネシアやフィリピンなど7カ国で暴力的過激主義の防止に向けた対策が進められます。アフガニスタンでは治安の安定化に向け、女性警察官の訓練などが進められます。

UNDPにとって日本はドイツに次いで2番目に大きい支援国です。2017年、UNDPは日本から計約3億ドルの支援を受けました。近藤哲生UNDP駐日代表は、「多くの日本人職員が新たなプロジェクトの現場において、日本政府とUNDPの架け橋として活躍しています。世界では長期化する紛争や人権侵害、戦後最大規模の難民危機、格差の拡大など様々な課題が深刻化しています。UNDPは一人一人の人間の生活に焦点を当てた支援活動を行なっており、今回の日本の支援はこうした様々な課題に取り組み、世界を安定化に導くための礎となるものです。」と述べました。来年はアフリカ各国首脳の参加のもと、日本政府と第7回アフリカ開発会議(TICAD VII)を共催する予定となっており、アフリカ開発に向けたUNDPの支援も加速していく運びです。


現地で活躍する日本人職員(矢印をクリック、もしくは写真をスライドしてご覧ください)

ボコハラムの被害が甚大なナイジェリア北東部において日本政府などからの支援を受け、避難民の帰還や早期復興を促す「統合コミュニティ安定化プログラム」などの活動をおこなっています。

2016年度補正予算案件(ヨルダンにおける対テロリズム、安定化、脱過激派支援)の一環で支援したユースセンターで、受益者である若者にコミュニティーでの社会的結束・過激化防止についての聞き取り調査を行っています。

日本政府の支援を受けた、エチオピア、ガンベラ地方の難民受け入れコミュニティの生計とレジリエンス向上を目指すプロジェクトサイトの視察の様子

スーダンでは日本政府の補正予算を受け、コミュニティの安全問題などに取り組んでいます。写真は現地関係者とモニタリング活動を行っている様子

ナイジェリア北東地区、ボルノ県で日本の資金で修復されたボコ・ハラムの被害を受けた小学校で子供たちと

イラク事務所では日本政府からの支援を受け、これまでに東モスル地区では11の学校を修復しました。写真は現地教師がイラク・モスルで授業を行っている様子。

補正予算での支援を受け、北ダルフールのアル・クマというコミュニティで若者向けのボランティアプログラムを立ち上げ、平和構築と復興支援を行っています。

CCCPA(Cairo International Center for Conflict Resolution, Peacekeeping & Peacebuilding)での プロジェクト第4フェーズにかかる署名式での様子

モルディブで気候変動や女性地位向上など様々な問題に取り組んでいます。

ジェリコ農業加工団地管理棟にて在ラマッラ日本政府代表事務所・松井書記官及びUNDP/PAPPチームと共に

ウクライナ東部ミコライブカの市役所改築工事現場視察の様子

バングラデシュ事務所では日本政府からの支援を受け平和構築プロジェクトなどに取り組んでいます。写真はチッタゴン丘陵地帯に視察に行った際に現地住民と

バングラデシュ事務所では様々な案件のモニタリングと評価を実施しています。写真は現地事務所でその業務にあたっている様子

紛争で影響を受けたコミュニティの社会・経済復興事業を担当、さまざまな民族や宗教の住民が共存し発展できる社会を目指しています。

UNDPカメルーンは日本政府からの支援を受け、3件のプロジェクトを実施しています。プロジェクト間の相乗効果を高めるべく、カメルーン極北州ではUNHCRとUNFPAと共同で活動を行っています。

日本政府からの支援を受け、インドアッサム地方における女性HIV陽性者雇用の促進(写真)などを行なっています。

2018年度の補正予算を通した支援を受け、「人身取引に反対する協力のための国連アクション(UN-ACT)」では人身売買や暴力的過激主義問題に取り組んでいます。

アジアの都市問題解決に向け、産学官民連携の取り組みを進めています。写真は、隔年開催の世界都市フォーラムで登壇した様子。

日本政府からの支援を受け、アジア太平洋18ヵ国90の学校にて、津波リスク分析、緊急対応、避難計画策定、津波防災教育と避難訓練実施のサポートを行っています。

中東地域全体の国事務所と本部を動員した、この地域を担当するUNDPの今後の方針を議論することを目的とした「Delivering the Strategic Plan Workshop」でのグループワーク、及びプレゼンテーションの様子